オーダーメイドな「完全個別化がん治療」を目指して
当施設は、がん治療の"個別化医療"として期待される、「ネオアンチゲン」と「樹状細胞ワクチン療法」を組み合わせた、オーダーメイドのがん治療を提供しています。ネオアンチゲンは、がん細胞だけに見られる抗原(目印)で、個々の患者様によっても異なります。ネオアンチゲンを樹状細胞ワクチン療法に応用し、患者様だけが持つがんの目印を標的にすることで「完全個別化」のがん治療を目指します。
※当治療は自由診療となります。治療費用は約280万円です。患者様のご状態や治療内容により費用が異なります。
当施設は、ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法の提供に向けて、2019年10月より東京慈恵会医科大学との共同研究を実施。「安全性および治療遂行性についての臨床試験」を経て治療をご提供しています。
試験名 | 切除不能膵癌に対する標準化学療法併用neoantigen樹状細胞ワクチン療法 |
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jRCT 登録番号 |
jRCTc030190081 https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTc030190081 |
同施設内には、細胞培養専用のクリーンルーム(無菌室)を併設。日本再生医療学会 臨床培養士※の資格を持つ培養スタッフにより、細胞培養~ワクチン作製を行っています。大学病院との共同研究で培った技術により、患者様お一人おひとりに個別化した「ネオアンチゲンワクチン」を丁寧に作製します。
※日本再生医療学会
https://www.jsrm.jp/certification/cpo/
「ネオアンチゲン」は、患者様お一人おひとりのがん細胞を遺伝子解析することで特定することができます。がん切除直後の患者様は腫瘍組織を使った遺伝子解析が可能ですが、がんの再発転移やご状態により切除ができないなど、腫瘍組織を採取することが困難な場合もあります。
当施設では、血液検査でがんの遺伝子情報を解析する「リキッドバイオプシー(液体生検)」を導入し、腫瘍組織を用いずネオアンチゲンを特定します。がんは、治療の影響や症状の進行により遺伝子が変化し、ネオアンチゲンも変化を続けるという性質があります。
リキッドバイオプシー検査を定期的に実施することで、「今そのとき」のがん遺伝子から「今そのときの患者様」に遺伝子レベルで個別化したオーダーメイドワクチンをご提案します。
リキッドバイオプシーについて詳しくは、下記よりご覧ください。
がん診療部長
島袋 誠守 医師
当施設では、2019年10月より東京慈恵会医科大学との臨床試験を重ね、ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法の提供に向けて取り組んでまいりました。私たちは、患者様に最適な治療をお受けいただくために、標準治療(手術・放射線治療・化学療法)を受けることができる方には、まずは標準治療を受けていただくことをお勧めしていますが、標準治療に加えて「出来ることを積極的に取り入れたい」とお悩みの患者様もいらっしゃいます。
ネオアンチゲンはまだまだ解明されていないことも多く研究段階の技術ですが、がん治療でお悩みの患者様にとって、選択肢の一つとして一助となれば幸いです。
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