2013年07月10日 |
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樹状細胞ワクチン療法について、再発性・進行性悪性腫瘍に対する放射線療法と本療法の併用に関する論文が、学術誌「MOLECULAR AND CLINICAL ONCOLOGY」にて発表されました。 今回の解析では、放射線の強弱をつけ、正常組織を傷つけずに腫瘍部位だけを照射することができる放射線療法(トモセラピー※等)と樹状細胞ワクチン療法の併用において、当施設の提携医療機関における再発性・進行性悪性腫瘍を伴う症例40例を解析したところ、安全性と有効性が確認されました。 放射線療法終了から2週間後に樹状細胞ワクチンの投与を開始し、最大7回の投与を行い経過観察した結果、放射線療法と樹状細胞ワクチン療法の併用について重篤な副作用はみられず、安全性が確認されました。 また、本解析の対象者のうち既に最大量の放射線療法を実施された患者9例においては、新たに低用量の放射線療法を行った後に樹状細胞ワクチン療法を併用したところ、奏効率55%という臨床結果を認めました。 この結果は、低用量の放射線療法と樹状細胞ワクチン療法の併用の有用性を示唆しています。 当施設では、患者様の適応に合わせて樹状細胞ワクチン療法と高精度放射線治療の併用をお勧めしております。今回の臨床結果を踏まえ、更なるエビデンス(科学的根拠)強化を図り、今後もより良い治療を提供してまいります。 ※トモセラピー 放射線照射装置を連続的に回転させ、照射範囲と照射線量を変化させることによって、照射範囲を綿密に設定でき、正常組織への照射を減らし腫瘍組織を正確に照射することができる放射線治療装置です。 |
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