2017年09月06日 |
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2017年9月2日(土)、ナビオス横浜にて「再発・転移へのあきらめないがんセミナー」が開催。当施設がん診療部長の島袋誠守医師と東京放射線クリニック院長の柏原賢一医師が、がん患者様とご家族を対象に講演しました。 島袋医師 島袋医師は「がんと免疫」をテーマに、免疫療法の仕組みについて丁寧に説明した上で、がんと診断された早い段階で標準治療と併用することで期待できる効果について講演しました。 ここ最近は免疫療法に関する批判的な記事も多くみられる中、標準治療を優先する同施設の考えや姿勢を明確に示しつつ、免疫療法にはどのような役割があるかを述べ、実際に標準治療と免疫療法を併用した症例についてもご紹介。 また、免疫療法だけでなく、個別化医療やAIの活用など、より有益な情報を提供するための今後の取り組みについても言及しました。 柏原 賢一 柏原医師は「放射線治療にできること・今後に期待できること」をテーマに、高精度放射線治療の有効性について説明。少数個転移したがんに対しても、根治を目指して外来で治療できる可能性があること、複数転移したがんであっても、放射線治療を行うことで症状を緩和し、苦痛を取り除くことに貢献できる可能性があることなどをお話しました。 米国では6割の方が選ぶと言われている一方で、日本では十分に知られていない放射線治療に期待できる効果について、同クリニックの豊富な症例とともに紹介しました。 本セミナーでは、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の佐々木昌弘課長が来場され、セミナーの最後に行政の立場からお話をいただきました。 「本セミナーに参加して感じたのは、治療法が進歩し、選択肢が広がっていく中で、患者様やご家族はどの治療法を選べばよいのか判断が難しくなっているということ。最近目にする免疫療法の批判記事についても、科学的にこれから立証されようとしている免疫療法と、そうでない免疫療法の情報が入り混じっています。 正しいと考えられる科学的根拠がある情報をきちんと皆さんにお伝えしていくことがとても大事で、行政としてもそのための取り組みをしていかなければならないと思っています。 また、治療法を選択していく中で、患者様とご家族みんなが同じ考えにならない場合も多くあります。 どういう考えだからこの治療を選ぶ、選ばないということを決める上で、伝える側がどのように伝えるかを行政がサポートしていくことで、家族同士ががんという病気によって仲違いするきっかけにならないようにすることも見据え、がん対策に取り組んでいきたいと考えています。」 会場には50名以上の方が集まり、医師や佐々木氏の話に熱心に耳を傾けていました。セミナー終了後も個別に医師に相談される方もいらっしゃり、大変有意義なセミナーとなりました。 厚生労働省健康局がん・疾病対策課 会場の様子 |
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