2018年06月20日 |
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2018年6月9日(土)、富士ソフトアキバプラザ(東京:秋葉原)にて「あきらめないがんセミナー」を開催。当施設がん診療部長の島袋誠守医師と東京放射線クリニック院長の柏原賢一医師が、がん患者様とご家族を対象に講演しました。
東京放射線クリニック 柏原医師は「がん治療と放射線 ~新たな展開~」をテーマに、標準治療として行われる放射線治療の特徴を詳しく説明した上で、あまり認知されていない自由診療による放射線治療について話しました。 同クリニックが注力している高精度放射線治療を用いて、多発転移に対する治療を行った例や、5cmを超える大きな腫瘍に対して放射線増感剤を併用した治療など、「多すぎる」「大きすぎる」がんに対する放射線治療について、実際の症例画像をスライドに映しながら示しました。 また、放射線を当てていない腫瘍にまで効果がおよぶ現象、アブスコパル効果※についても言及。 同クリニックで経験した症例を元に紹介し、放射線治療と免疫療法を併用することでアブスコパル効果を意図的に発現させる治療など、新しい可能性を示しました。 ※がんが複数ある場合、その一つに放射線治療を行ってしばらくすると、放射線照射をしていないがんまで縮小するという現象が起きることがあります。この現象は「アブスコパル(遠くに狙いを定める)効果」と呼ばれています。 がん診療部長 島袋誠守 医師 島袋医師は「がん治療と免疫」をテーマに、がんと闘う上での免疫の役割について説明し、がん免疫療法にはどのような種類があり、どのような効果が期待されるのか、また副作用はあるのか等について丁寧に話しました。 外科医として25年以上消化器外科・一般外科でがん治療全般に関わってきた島袋医師。「ひとつの要素を取り除けばがんにならないということはない。使える武器(治療法)はすべて使うことが大事」と説明し、日進月歩のがん医療においては、今を乗り越えることで次への期待が高まること、がんは手強い敵だからこそ使える武器はすべて使い総力戦で挑むこと、免疫療法がその武器のひとつになり得ることを強調しました。 また、がんには個性があり、一人ひとりに合わせたがん治療が重要であることにも触れ、昨今研究が進められている遺伝子(ゲノム)検査について言及。同施設で行っている、血液からがんの遺伝子情報を解析し、遺伝子情報を元に治療効果が期待できる薬(分子標的薬)を診断する検査、「リキッド・バイオプシー」も紹介し、大変充実した内容となりました。 会場の様子 最高気温30℃を超える真夏日にも関わらず、当セミナーには50名強の方にご参加いただきました。 講演終了後の質疑応答では何人もの方が挙手され、ご自身やご家族の病状についての質問に、両名医師が丁寧にお応えしました。 その場で各クリニックの医療相談に申込みされる方も多数いらっしゃり、大変有意義なセミナーとなりました。 |
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