自己の免疫細胞でがんを治療する「第4のがん治療」
「がん免疫療法」とは、がんを攻撃してくれる体内の免疫細胞を使って治療を行っていく療法です。自己の免疫細胞を使ってがんを攻撃するため、副作用が少ないのが特徴です。がんを退治していこうとする免疫療法は「第4のがん治療法」と呼ばれています。
1960年代後半から始まったがん免疫療法は、現在に至るまで様々な形で進化してきました。治療方法が進歩する過程において治療効果の面では必ずしも順風満帆なものではありませんでした。現時点で標準治療(手術・放射線治療・化学療法)に匹敵するほどのデータはまだ集まっておりませんが、学術論文も多数発表されており期待できるデータが集まりつつあります。
がん免疫療法には、第1世代(1970年代)の細菌・キノコ由来の免疫療法剤、第2世代(1980年代)のサイトカイン療法、細胞を治療に応用した第3世代(1980年代)の活性化リンパ球療法(NK細胞療法などの非特異的免疫療法)、そして第4世代(1990年代)のがん免疫細胞療法である樹状細胞療法をはじめとする特異的免疫療法などがあります。
第3世代までの免疫療法は、非特異的免疫療法といわれ患者様自身の免疫力の底上げをするものでしたが、第4世代の樹状細胞ワクチン療法では、特異的免疫療法といわれ、がん細胞に絞って集中的に攻撃する治療法です。
当施設で行っている免疫療法「樹状細胞ワクチン療法」は、大阪大学大学院杉山教授が開発した抗原(がんの目印)「WT1ペプチド」を使用しています。
WT1ペプチドは、さまざまながん(白血病等の血液がんも含む)に存在するがん組織(抗原)であり、多くのがん種で樹状細胞ワクチン療法のご提供が可能です。
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